事業用の資金を調達するための選択肢に、カードローンが不向きな理由

事業を行っていく上で、資金を必要とする機会は非常に多いかと思います。とはいえ、資金調達はそう簡単に出来るものではありませんよね。最近はますます中小企業に対しては貸し出しを渋るようになってきていますし、本当に資金が必要な場合でもなかなかスムーズに借りられる…といった話は残念ながらあまり聞きません。

とりあえず資金を確保できればいいや…と、銀行よりも審査が甘い、カードローンをついつい頼ってしまう場合もあるかもしれませんが、ちょっと待って下さい。正直に言うと、カードローンは事業用の資金にはあまり向いていないと言わざるをえないんです。

一番の理由は、もちろんですが金利が高いことです。かなりの大口であればまた変わってきますが、それでも金利の高さに目をつぶるには少々高すぎるといった印象です。同じ額を借り入れたとしても、金利が2%程度違うだけで利息は大きく変わってきてしまうからです。500万円を10年間返済で借り入れた場合、金利7%では利息は約190万円なのですが、金利9%では利息は約260万円と70万円も変わってきます。70万円とは決して小さい額ではありませんし、それだけの利益をポンと出すのはなかなか簡単なことではありません。

また、銀行にとってもカードローンで事業資金を調達しているというのは印象がいいものではありません。今後銀行に融資をしてもらいたいと思っていても、カードローンの返済中である場合は融資の申し込みをしても否決される可能性が高いと言えます。また、銀行側には先のことを考えていない経営者と認識されるかもしれません。今後、事業を継続していくにあたって、この1回だけでなくまた改めて事業資金を調達しなければならない機会がないとは言えません。その際、銀行や公的な融資を利用せずにまたビジネスローンを利用する…ということになれば、資金繰りが悪化していくのは明白です。

銀行や公的機関に融資を申し込む際は、事業計画書であったり、会社のこれからについてのプレゼンを行う必要があります。どのように調達した資金を利用するのか、どのようにして返済するのかを先方に伝える必要があるということですね。事業計画の内容にもとづいて融資をするかどうか判断するわけですが、この計画がよくないと当然融資は受けられません。「見通しが甘すぎる」ということですね。極端な話ですが、1000万円借りても5年で200万円くらいしかペイできないようではまったくもってお金を貸しても返ってこないのでは?と判断されてもおかしくありません。そして、そのような見通しの甘い企業は長続きはしないだろうな…と思いますよね。

銀行からの融資が受けられないからカードローンで資金調達を行う、というのは一見至極普通のことに見えます。しかし、銀行からの融資が通らないということは、客観的に見て事業計画がなっていない…とも言えるのです。そのような人がカードローンで資金を調達しても…どうなるかはおわかりですよね。もちろん成功する人もいるでしょうが、その何倍も、何十倍も失敗している人がいる可能性が高いのです。

事業を成功させたい、軌道にのせたいと思うのであれば銀行や公的機関から融資をもらえる事業計画書を制作し、融資を受けましょう。

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